大学生向けに解説!郵送調査法の基本手順とコツ

社会調査入門シリーズ

 
 こんにちは、ねっきー🔍調査系おじさんです。

 社会調査でもっともポピュラーな調査方法である「郵送調査法」について基本的な基準とコツについてざっくり解説します。

 社会調査の講義や事業できっと郵送調査を行うこともあるかと思いますので、参考になれば幸いです。

ねっきー
ねっきー

この記事はこんな方におすすめです。興味がある方はぜひぜひご覧ください!

・郵送調査法についてざっくり知りたい方

・社会調査の手順や段取りについて知りたい方

・仕事で郵送調査を行ってみたい方

 この記事を読めば、郵送調査について大体わかりますよ~♪

社会調査でポピュラーな手法「郵送調査」とは何か

 郵送調査法は、調査対象者に調査票を郵便で送り、対象者が自分で記入して返送する形式の調査手法です。

 郵送調査法は、郵送までの手間を除けば、他の調査法と比べて経費などもかからないため比較的実施しやすく、社会調査でポピュラーな手法です。

 また、対象者が自宅で自分のペースで回答できるという利点がありますが、返送率の低さや無記入率の高さ、回答の偏りなど、いくつか課題が存在します。

 この課題を克服し、郵送調査を成功させるためには、しっかりとした準備といくつかの工夫が必要になります。返送率や回答率を上げる方法については本稿でも紹介します。

ねっきー
ねっきー

 私もよく郵送で調査をします。近年は、ウェブ調査も台頭しており、郵送と組み合わせて実施することもあります。

 

郵送調査の基本手順

 郵送調査をしたことがない方向けに「郵送調査の手順」について説明します。調査の目的などに沿ってアレンジすることもあるかと思いますが、基本的な基準をお伝えしますね。

郵送調査の流れ

⓵標本抽出枠(調査対象者リスト)の入手
 郵送調査を実施する際には、まず調査の対象とする人や団体など(母集団)の住所や連絡先などの情報がわかる名簿が必要になります。
 名簿は、企業や団体から提供を受けるか、過去の調査等で作られた既存のデータベースを利用することが多いですが、事前の調査を経て名簿を新しく作成することもあります。
 名簿の作成や管理にあたっては個人情報が含まれることもあるため、取り扱いには細心の注意を払い、プライバシー保護の観点から適切な管理をする必要があります。
⓶標本の抽出
 名簿が準備できたら、次に考えるべきは「全数調査」を行うか「標本調査」を行うかを検討します。調査設計書を作成する時点で決定していることが多いのですが、調査対象となるすべての人・団体の集まりである母集団の規模や予算などの制約によって判断します。
 全数調査は名簿にあるすべての人に調査を行う方法で、標本調査は名簿の中から一部の人を抽出して調査を行います。
 全数調査は完全なデータを得られる一方で、費用や時間がかかるため、あまり現実的ではありません。標本調査を選択する場合は、母集団から調査対象者を選ぶ「抽出方法」を慎重に検討する必要があります。 
 抽出方法は、たとえば、無作為抽出法層化抽出法などがありますが、選択する手法によって結果の代表性が左右されるため、目的に応じた適切な方法を選ぶことが重要です。標本抽出の方法については別の記事で解説します。
⓷標本リストの作成
 抽出後に、調査対象者の情報をリスト化します。このリストには、⓵の調査対象者リストと同じで郵送に必要な情報がすべて含まれている必要があります。
 リストを基に宛名ラベルを作成し、調査票の発送準備を整えます。リスト化されたデータは、後の調査結果の管理や分析においても利用されるため、正確なリスト作成が求められます。宛名ラベルの作成には、ミスが発生しないよう、複数人で確認作業を行うことが大切です。
⓸予告状の送付
 予告もなしに調査票をいきなり送ると、調査対象者が不信感を抱き、回答率が低下する可能性があります。そのため、調査期間や予算に余裕があれば、調査の目的や対象者に選ばれた理由を説明する予告状を調査対象者に事前に送付します。
 予告状を送ることで、調査票が後から送られてくることを知らせ、対象者が調査に興味を持つよう促します。予告状には、調査の概要、調査の重要性、協力のお願いを簡潔に記載することがポイントです。また、予告状には、組織のロゴや責任者の署名を入れると信用性が増して調査に協力してくれる可能性が高まります。
⓹協力依頼状と調査票の作成
 予告状を基に正式な協力依頼状を作成します。協力依頼状には調査の目的、対象者の選定理由、守秘義務、データの利用方法などを記載し、対象者が安心して回答できるよう配慮します。
 また、調査票は対象者にとってわかりやすい言葉遣いやレイアウトで作成することが重要です。特に、質問文のわかりやすさや、回答方法の指示が明確であることが、回答率を高める鍵となります。調査票のレイアウトは、視覚的に見やすく、記入漏れが発生しにくいデザインを心がけることが大切です。調査票の作成については別の記事で詳しく解説します。
⓺発送用・返送用封筒の作成
 発送用封筒に宛名ラベルを貼り、内容物が調査票であることを明記します。さらに、返送用封筒には返信先住所を記載し、対象者が簡単に返信できるよう、封をするための両面テープをあらかじめ貼っておくなどの工夫をします。特に、大量の調査票を発送する場合、封入ミスやラベルの貼り間違いが発生しやすいため、発送前に複数の担当者で二重チェックなどを行って確認を徹底することが重要です。返送用封筒には、対象者の負担を軽減するため、切手をあらかじめ貼り付けておくと良いでしょう。
⓻謝礼の準備
 郵送調査では、調査対象者に労力を負担してもらうため、そのお礼として謝礼を準備します。謝礼は、回答率を向上させる効果があり、謝礼を送るとなれば、事前に送る事前謝礼と、回答後に送る事後謝礼のどちらかを検討します。  
 特に事前謝礼は、回答への動機付けとして効果的であり、悪く言えば「恩着せる」という側面もあります。事前謝礼は調査票と一緒に同封するのが一般的です。事後謝礼は、回答後に住所や氏名を確認して送付するため、個別にフォローアップが必要となりますが、回答した調査対象者に謝礼を約束するため信頼感を高めることができます。
⓼調査票等の送付
 これまでのすべての準備が整ったら、調査票を発送します。大量の郵便物を扱う場合は、郵便局に直接持ち込むのがおすすめです。また、発送物の内容に不備がないよう、内容物のチェックリストを作成しておくことも重要です。
 発送後は、発送日や送付先の確認、発送物の追跡などを行い、確実に対象者の手元に届くよう管理します。時々あて先不明などで返送される郵便物もありますが、返送時期や記載住所や宛名などを記録にとり、なるべく正確な情報を得て再送することもします。すぐに対応ができるように、返送後の対応については調査設計書に明記しておきましょう。また、発送先が広範囲になる大規模な調査では、郵送期間や返送期間などスケジュールについて特に配慮が必要です。調査対象の方に「郵便が届いて翌日が締め切り」ということの無いように発送のタイミングや順序にも注意が必要です。
催促状・督促状の作成と送付
 調査票の締め切り前に回答がない場合は、催促状を送付して調査対象者の回答を促します。さらに、締め切り後に督促状を送付し、未回答者への再度の依頼を行います。催促状や督促状は、回答の意欲を高めるような内容を含めることが大切です。たとえば、調査の重要性や回答者の意義を再度強調し、回答することで調査結果に貢献できることを伝えるといいと思います。
調査票の回収と点検
 返送された調査票が不備なく記入されているかを確認し、データの入力作業を行います。不明点や不備があった場合には、対象者に個別に連絡を取り、再度確認を行うこともあります。
 調査票の点検では、記入漏れや不正確な回答を見逃さないよう、慎重に確認することが求められます。また、データ入力の際には、入力ミスが発生しないよう二重チェックを行うなどの対策を講じることが重要です。
調査内容の分析・報告書の作成
 集めたデータを基に分析を行い、正確で見やすい報告書を作成します。報告書は、分析結果をわかりやすく示し、次のアクションに活かせる内容にすることが求められます。
 分析する際は、データの集計だけでなく、相関分析や因果関係の検証など、より深い洞察を得るための分析手法を取り入れることが大切です。
 また、報告書には、視覚的にわかりやすいグラフや図表を用いて、読み手が直感的に理解できるよう工夫します。
お礼状の作成と送付
 調査終了後、回答者に対してお礼状を送付します。場合によっては、調査報告書を同封することもあります。
 また、提供された情報の取り扱いについて明記し、今後も協力を依頼する際に安心してもらえるよう配慮します。お礼状には、調査に協力してくれたことへの感謝の気持ちを丁寧に伝えるとともに、調査結果がどのように活用されるかを簡単に説明すると良いと思います。

 

ねっきー
ねっきー

 以上が郵送調査の基本手順になります。特に、⑫のお礼状作成と送付は、調査を行ったら必ず行いましょう。相手あっての調査です。

回答を得るためのコツ

ずばりポイントは6つ!

 調査対象者に予告状の送付を送付すること

 催促状と督促状を送付をすること

 返送用封筒に切手を貼ること

 謝礼を前渡しすること(事前謝礼)

 ⓹実施主体の信頼性と権威を伝えること

 ⓺調査票を回答しやすいように工夫すること

ねっきー
ねっきー

 郵送調査を実施する際に誤答や無回答を減らし、回答率を上げる研究は様々行われています。お金と労力をかけて調査を行うわけですから、意義と実りある調査を行うために研究者の皆さんも関心が高いトピックスになります。

もっと詳しく知りたい方への情報

 次の記事では、郵送調査の欠点についても言及しています。ぜひご覧ください!

 

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